うっとこの息子の仕事 Ⅳ

いつもより早くに帰っていた息子
食卓に着くなり「明日は夕飯いらないから」と・・・

「当直？」　「ボーリング大会？」「先輩と寄り道？」
いずれも違う。。元気が無くため息をつきながら・・・
話したことは・・

今日　予定していた加古川からの出航船が、
またもやトラブルで出航が遅れ、　夜になるらしい。
その船が出て、沖に居る巨大船が入港するのだが、
潮の関係で、２３時から、だと

で、これに怒った、日頃から気むずかしい３人組パイロット
「おまえら～～夜のパイロットの仕事がどんなにしんどいか、見に来い！！」

こういった時に限って、部長とか、上司がいない
で、パイロットと一緒に乗船することになり、

誰が、行くことになるか。。。

会社の配乗部で、太り過ぎの人が１番に離脱
それから、一人、二人と抜け、結局新入社員２名
うっとこの息子と、年上の後輩となった。

まだ、会社の先輩なら、気が楽なんだが、商船に関係ない経歴の後輩
早速「○○さん、明日よろしくお願いします」　　と・・
「やはり、海図とか必要でしょうか？」と聞かれ　どど～～～んと落ち込んでいる
（船橋は電気を消して海図とか見えないため）

明日は仕事が終わってから、波止場に行き、
スーツの上にライフジャケットを着て通船で、貨物船に向かう
ドラフトだけでも１６Ｍあるため、かなり縄ばしごを登らなくてはならず、
（故に太った人が外れた）
という船橋までの道のりが遠い

無事、船が着岸して、パイロットが下船して、やっと解放されるのだが、
　　
おかあさん、最終電車終わっているから、迎えに来て、と
パイロットは下船したら８時間の休養があるけど、
俺たち翌日も仕事だし・・・
それに、この見学をレポートにして　パイロットに提出だよ
と、ぼやく理由てんこ盛り

突然降ってわいた不幸に、　　お気の毒様です
帰ってきてレポートの代わりに辞表の提出だけはしないでね。

だったら、アドレスＶ１２５　　でどこまでも（いえ、三宮が限界）迎えに行くよ！！



でも、卒業して以来、こんな事でもないと、船に乗ることが無いし、
いい経験じゃない？って　私は思うのだけど・・

息子は、
神○製鋼のボロクレーンめ～～～！！
こいつのせいで、船が遅れ、
そのとばっちりで、俺が苦労するんだ～～！！
と、ひたすら、暗くなってる